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CVR(T)(Combat Vehicle Reconnaissance(Tracked)は、イギリス陸軍およびその他採用国で配備されている装軌式装甲戦闘車両のシリーズである。これらは小型で空輸により迅速に展開でき、サラディン装輪装甲車の後継車種となった。 1960年代にアルヴィス plc社によって開発され、スパルタンAPC、スコーピオンやシミター、サマリタン装甲救急車、FV102 ストライカー、FV106サムソン装甲回収車などがこのシリーズに含まれる。 すべてのCVR(T)系列の車両は統一された車体構造やサスペンションで構成されており、重量軽減のため素材はアルミニウムが多用されている。1996年の時点では3,500以上の車両が英軍用や輸出用に生産された。 ストライカーおよびスコーピオンは現在はイギリス陸軍から退役している。シミター、スパルタンは将来緊急展開システム(FRES)による新型車両や、イタリアのイヴェコ LMVの英軍バージョンであるパンサーCLVに代替される予定である。 == 設計・開発 == 1960年代初頭、イギリスの海外駐留は駐屯地の維持費などがかさみ防衛予算の圧迫の元であると指摘された。そこでイギリスは紛争地域へは兵力およびその装備をヨーロッパの基地から空輸して展開するという新たな戦略を立てることにした。そのために空輸での展開が実用的なほどに軽量でかつ部隊に対装甲戦闘能力と火力支援を提供可能なAFVが必要とされた。また、ちょうど同時期にFV601 サラディンの後継車両も必要となっていたのである。 1960年にArmoured Vehicle Reconnaissanceと呼ばれていた計画が開始された。この車両は76mmないし105mmの主砲を砲塔に搭載し、車長・運転手・砲手の三人で運用される。対装甲火力は後に開発された(1966年)スウィングファイア対戦車ミサイルを車体後部にマウントして獲得する。また、装輪・装軌式双方が開発されFV432と同じエンジンとステアリングを共有する。しかしプロトタイプの最終モデルでも重量は13トンを超え、空輸するとなれば許容重量を超過してしまった。 重量軽減のために鋼鉄にかわりアルミニウム装甲を導入することとなった。そのための研究で砲兵火力の砲弾破片に対してその密度をもって高い防御力が得られることが判明した。輸送機の内部に納めるために車高は2.5m以下、横幅2.102m以下にとどめることが必要とされた。さらには接地圧5psiの用件を満たすため履帯幅は0.45mとされた。さらに幅の規定は用いるエンジンの選定にも影響し、冬季装備の運転士のすぐそばに入る大きさである必要があった。このためエンジン区画はわずか0.6mにとどめられた。この条件に適合する強力な装甲車両用エンジンは当時まだ開発されていなかった。ただひとつジャガー4.2リットル ガソリンエンジンを除いては。 運転手席は車体前面のエンジン区画すぐそばに存在し、このため砲塔は車体後部に配置される。装甲化され76mm砲を装備した最初の火力支援型であるスコーピオンはこの砲塔配置が蠍の尻尾を連想させたことによる命名である。サラディン、スタルワート、サラセンなどのような以前にアルヴィスが開発した車両と同様に、"S"が頭文字の単語という命名規則もある。よって他の車両もストライカー,スパルタン,サマリタン,サルタン,サムソンとすべてこれを反映している。加えて英軍幕僚はこの他に30mm砲搭載のシミターも注文している。 1967年にアルヴィスは30台の試作型CVR(T)の生産契約を与えられた。そのうちP1はP17スコーピオンの試作型、I18からP30は他の六種類のCVR(T)規格の車両だった。イギリス国防省の課す厳しいコスト制限の元での仕事であり、1969年1月23日に最初のプロトタイプがコストと時間の制限をともに満たして生産された。その後、あらゆる環境での活動に耐えられるかノルウェー、オーストラリア、カナダ、アブダビの寒冷・高温・乾燥地帯でテストされた。1970年5月にCVR(T)はイギリス陸軍への配備が認められた。最初の契約は275両のスコーピオンと288両のシミターである。最初のスコーピオンが完成したのが1971年で、イギリス陸軍への初期の配備は1971年1月である。 1986年までにイギリスは総計1,863両のCVR(T)を受領した。内訳はスコーピオン313両、ストライカー89両、スパルタン691両、サマリタン50両、サルタン291両、サムソン95両、シミター334両である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「CVR(T)」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Combat Vehicle Reconnaissance (Tracked) 」があります。 スポンサード リンク
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